摩訶般若波羅蜜経往生品第四
三、菩薩摩訶薩が身・口・意の不浄な行為を除くこと説く
| 舍利弗白佛言。 世尊。云何菩薩身業不淨口業不淨意業不淨。 |
舎利弗が仏に申し上げた。 「世尊。何を菩薩の身業の不浄・口業の不浄・意業の不浄(三業の不浄)と言うのでしょうか」 |
| 佛告舍利弗。 若菩薩摩訶薩作是念。是身是口是意。如是取相作緣。 舍利弗。是名身口意不淨。 |
仏は舎利弗に次のように説いた。 「もし菩薩摩訶薩が次のように考えたとしよう。これは身、これは口、これは意であると。このように姿かたちが作した縁であると解釈する、 舎利弗、これを身・口・意の不浄と名づけるのである。 |
| 舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。不得身不得口不得意。 | 舎利弗、菩薩摩訶薩は般若波羅蜜を行ずる時、身を〈実体として〉認知せず、口を〈実体として〉認知せず、意を〈実体として〉認知しないのである。 |
| 舍利弗。菩薩摩訶薩行般若波羅蜜時。若得身若得口若得意。 用是得身口意故。能生慳心犯戒心瞋心懈心亂心愚心。 當知是菩薩行六波羅蜜時。不能除身口意麤業。 |
舎利弗、菩薩摩訶薩が般若波羅蜜を行ずる時、もし身を〈実体として〉認知し、もし口を〈実体として〉認知し、もし意を〈実体として〉認知するとしよう。 この身・口・意を〈実体として〉認知したと思うがために、ものおしみをする心・戒を犯す心・いかる心・怠る心・乱れる心・愚かな心が生まれることになるのである。 まさに知るべきである。これこそ菩薩が六波羅蜜を行ずる時、身・口・意の粗雑な行いを除けないということの意味なのである」 |
| 舍利弗白佛言。 世尊。菩薩摩訶薩。云何除身口意麤業。 |
舎利弗が仏に申し上げた。 「世尊。菩薩摩訶薩が身・口・意の粗雑な行いを除くとは、どういうことをいうのでしょうか」 |
| 佛告舍利弗。 若菩薩摩訶薩不得身口意。 如是菩薩摩訶薩。能除身口意麤業。 |
仏は舎利弗に次のように説いた。 「もし菩薩摩訶薩が身・口・意を〈実体として〉認知しなければ、 このような菩薩摩訶薩は身・口・意の粗雑な行いを除くことができるであろう。 |
| 復次舍利弗。若菩薩摩訶薩從初發意行十善道。不生聲聞心不生辟支佛心。如是菩薩摩訶薩。能除身口意麤業。 | また次に舎利弗、もし菩薩摩訶薩最初に覚りへ発意したときから十の善道を行じ、声聞の心が生ぜず、辟支仏の心が生じなければ、このような菩薩摩訶薩は身・口・意の粗雑な行いを除くことができるであろう。 |
| 復次舍利弗。有菩薩摩訶薩行般若波羅蜜淨佛道時。行檀那波羅蜜尸羅波羅蜜羼提波羅蜜毘梨耶波羅蜜禪那波羅蜜。 是名菩薩摩訶薩除身口意麤業。 |
また次に舎利弗、ある菩薩摩訶薩は、般若波羅蜜を行じ仏道を浄める時、檀那波羅蜜・尸羅波羅蜜・羼提(クシャーンティ、忍辱)波羅蜜・毘梨耶(ヴィーリャ、精進)波羅蜜・禅那(ディヤーナ、瞑想)波羅蜜を行ずる。 |
著作 アルキメデスの館