摩訶般若波羅蜜経舌相品第六
ブッダ舌相から光を発し諸仏世界を照らす
| 爾時世尊出舌相遍覆三千大千世界從其舌相出無數無量色光明。普照十方如恒河沙等諸佛世界。 | その時世尊は、舌相を出し満遍なく三千大千世界を覆い、その舌相から無数・無量色の光明を出し、十方のガンジス川の沙ほどもある諸々の仏の世界を隅々まで照らした。 |
| 是時東方如恒河沙等世界中(欠「。」)無量無數諸菩薩見是大光明。各各白其佛言。 世尊。是誰力故有是大光明普照諸佛世界。 |
すると東方のガンジス川の沙ほどもある世界の中の無量・無数の諸々の菩薩は、この大光明を見て各々それぞれの仏に申し上げた。 「世尊。これは誰の力によって、この大光明が諸々の仏の世界を隅々まで照らすのでしょうか」 |
| 諸佛告諸菩薩言。 諸善男子。西方有世界名娑婆。是中有佛名釋迦牟尼。 |
諸々の仏は、それぞれ諸々の菩薩に次のように説いた。 「諸々の善男子よ、西方に娑婆と名づけられる世界がある。この中に仏がいて釈迦牟尼(シャーキャ・ムニ、シャーキャ族の聖者)と名づけられているのである。 |
| 是其舌相出大光明。普照東方如恒河沙等諸佛世界。 南西北方四維上下亦復如是。 爲諸菩薩摩訶薩說般若波羅蜜故。 |
これはその舌相が大光明を出し、東方のガンジス川の沙ほどもある諸仏世界を隅々まで照らしているのである。 南西北方四維上下もまた同じようである。 これは諸々の菩薩摩訶薩のために、〈仏が〉般若波羅蜜を説くためである」 |
| 是時諸菩薩各白其佛言。 我欲往供養釋迦牟尼佛及諸菩薩摩訶薩。并欲聽般若波羅蜜。 |
すると、諸々の菩薩は、各々それぞれの仏に申し上げた。 「私は行って、釈迦牟尼仏及び諸々の菩薩摩訶薩を供養したいと思います。そして般若波羅蜜〈の教え〉を聴きたいと思います」 |
| 諸佛告諸菩薩(欠「。」) 善男子。汝自知時。 是時諸菩薩摩訶薩持諸供養具無量花蓋幢幡瓔珞眾香金銀寶花。 向娑婆世界詣釋迦牟尼佛所。 |
諸々の仏は、諸々の菩薩に次のように説いた。 |
| 爾時四天王諸天乃至阿迦尼吒諸天。各持天上天香末香澤香天樹香葉香。 天種種蓮花青赤紅白。向釋迦牟尼佛所。 | また、四天王天の諸々の王乃至阿迦尼吒天の諸々の王は、各天上の天香・末香・沢香・天樹香・葉香、天の種種の蓮花・青赤紅白を持ち、釈迦牟尼仏の所に向かった。 |
| 是諸菩薩摩訶薩及諸天。所散諸花。於三千大千世界虛空中。化成四柱大寶臺。種種異色莊嚴分明。 | その諸々の菩薩摩訶薩及び諸々の天王が散じた諸々の花は、三千大千世界の虚空中で、変化して四柱の大宝台と成り、種種の異色は荘厳にそれぞれ際立っていた。 |
| 是時釋迦牟尼佛眾中有十萬億人。皆從座起合掌白佛言。 世尊。我等於未來世中亦當得如是法。如今釋迦牟尼佛弟子侍從大眾說法亦爾。 |
その時、釈迦牟尼仏の衆中には十万億(億=十万)人がいて、みな座から起ち、合掌して仏に申し上げた。 「世尊。私たちは未来世にも、また、まさにそのような理法を得るでしょう。今、釈迦牟尼仏が弟子を従えて大衆に説法しているように。そのとおりでしょうか」 |
| 是時佛知善男子至心於一切諸法不生不滅不出不作得是法忍。 |
その時、仏は、善男子の心が一切の諸々の事物について不生・不滅・不出・不作〈の理解〉に至り、その存在の認識を獲得したのを知った。 |
| 佛便微笑。種種色光從口中出。 阿難白佛言。 世尊。何因緣故微笑。 |
仏はただちに微笑し、種種の色光が口中から出た。 阿難が仏に申し上げた。 「仏よ、どういう理由で微笑するのでしょうか」 |
| 佛告阿難。 是眾中十萬億人於諸法中得無生忍。 是諸人於未來世。過六十八億劫當作佛。劫名花積。佛皆號覺花 |
仏は阿難に次のように説いた。 「その衆中の十万億人は諸々の事物について生じることはないという認識を獲得し、 その諸々の人たちは未来世に、六十八億劫を過ぎてのち、まさに仏になるであろう。 その劫は花積と名づけられ、仏はみな覚花と呼ばれるであろう」 |
著作 アルキメデスの館